本作は、『エピソードI』、『エピソードII』を1本の物語に再構成するための原案に沿った本作オリジナルエピソードが入っていますが、さらに、なんと原案にありつつも語られていなかったシリーズ完全初出エピソードも幾つか用意されています。
私は──試作型097号。
プロトタイプが完成するまで、幾多の実験が試みられていく、 その一過程──── でも私は、幸せだった。私たちの存在は、必要なものだったから。 ────お父さまのために。
だけど、その日は──いつか来る。 モモ[プロトタイプ]が誕生し、私たちの存在理由がなくなる、その日が────
今夜も私は、夢を見る──── でも、その夢が好きなわけじゃない。
空が嫌い──厭な色。空気も嫌い──厭なニオイ。人も嫌い── みんな、厭な目で私を視る───みんな───父さんも─── それでも幼い私は、ここで暮らしている。夢の世界で暮らしている。
なぜいつも同じ夢を見るのだろう──視たくないのに───忘れたいのに───ぼんやりとした夢の世界──不安と、哀しさと、いたたまれなさと── そんな曖昧な世界の中で、空の色と匂いと人の目だけがギラついている。 夢だと解っているのに───現実ではないのに───だから───
だから私は、楽しい事を考える。 素敵な思い出を。あの人と過ごした日々を。日溜まりと温もりを。
君は、知っているかい? ──墓地に葬られているのは、亡くなった人の身体だけじゃない。 暗く、冷たく、深く、静かな土のなかにもっと別のものが──── 眠っていることがあるんだ。
俺はその頃、星団連邦軍海兵隊で少佐の地位を得ていた。 戦いの中で、他者を破壊することでしか、世界と関われない。 そんな俺に、お似合いの立場だ。 だが、同時に俺にはもうひとつの顔があった──── 好んで、二つの仮面を手にしたわけじゃあない。 俺はただ、求めていただけだ。俺が俺であることをやめず、 世界と語り合う方法を────
俺の頭のなかには、ノイズが眠っている。 もっともそれは── 人によっては多大な価値を持つものらしい。 巨大な陰謀の真相だの、紛争の影の真実だの、ご大層な肩書きを聞かされた。 いずれにせよ、俺の任務には、関係のないシロモノだ──── だが、ノイズは常に解析されることを求めて、俺の脳裏で呻き続ける──── そう、あの時から────
かつて、俺は── 連邦警察隊特殊部隊隊長を勤めていた。 カウンターテロや要人護衛を主任務とした、血なまぐさい日々。 それは、死後も終わることがなかった。 献体サイボーグとして蘇生された 俺は、星団連邦政府から与えられる様々な任務に従事させられている。 いつか生前の記憶を失い、この記憶や感情までもが、機械のパーツとなる日を夢見て──
日常の一コマを彩る、ささやかな対話──── そんなものの価値に気づくのは、いつも、その機会が永遠に喪われてからだ──── でも── 喪われた対話を、続けたいと望むのなら────
来るな──── なぜ、お前たちが現われる── お前たちが、俺を否定しようとした。 だから、その前に俺が、おまえたちの存在を否定したのだ── もう、終わったことだ──、お前たちは存在しないんだ。 なのに、なぜ────
日常ってのは、退屈なもんだ。 人類を殲滅しようとする、異形の存在との戦闘──── 武装結社との抗争──── とてつもなく危険な、謎の物体の探索、回収──── どんな刺激だって、繰り返していくうちに、感覚は麻痺していく。 だから────、日常ってのは、退屈なもんだ。 ただ、日常って奴は時々、とんでもない新手を打ってきやがるから、油断ならない。 そんなことくらい、承知のはずだったのに、いつも忘れる。 ────それが、人間ってもんだよな。