宇宙、それは俺たちの稼ぎ場・・・ これは、ローエングリン級航宙貨客船エルザと、その乗組員たちに降りかかる災難の日々を、マシューズ船長の記録という形式で編集部が勝手に想像した物語である。
デカブツからようやく抜け出せた。 第二ミルチアが奇麗に見えるぜ。 何!?脱出の時にバランサーがいかれただぁ? このままじゃ大気圏で俺達ゃ燃えちまうぞ! 愛しのエルザが焼き鳥になっちなうなんざぁ、御免だぜ!
モモ嬢ちゃん達を乗せて、ようやくエルザを発進させたんだが、 帰り道もすんなりは通してくれそうにねぇや。 デカブツの破片がボロボロ落ちてきやがって、トニーの腕でやっとこさ逃げてるってー状態だ。 クソッ!なんで宇宙船が脱出する時には、いつもこーなるんだ? まるで大昔のスペースオペラみてぇじゃねえか!
デカブツの中では、ヴェクターの姉ちゃん達がうまくやってるはずだ。 ん?デカ物がガラガラと崩れてきてやがる。 このままじゃ、エルザも危ねぇ! 早く戻ってきてくだせぇよ、ちび旦那!
コマみてぇなデカブツにエルザを向かわせた。 だが、グノーシスがわんさか現れて俺らの邪魔をしやがる。 くそったれ! 待ってな!モモ嬢ちゃん!
モモ嬢ちゃんがさらわれた。 そんな時、ちび旦那が、エルザを買い取りてぇって、俺んとこに来た。 大方、嬢ちゃんを助けに一人で行こうってんだろう。ちび旦那、何でも一人で背負い込むのは止めてくだせぇや。 俺たちもお供しますぜ、どこまでも!
グノーシスの奴らがファウンデーションを襲ってきやがった。 おいおい、俺たちゃいったいどーなるんだ?
エルザの損傷は思いのほかひどく、ファウンデーションで修理をお願ぇすることになった。久しぶりにトニー達とうまい酒を飲んだ。同じ店にヴェクターの兄ちゃんがいたんだが、どうも酒癖が悪くていけねぇ。ああいうのに関わるとろくなことがないんで、そのままにしといたんだが、気が付くと変な兄ちゃんと意気合してやがる。やれやれだぜ。明日には第二ミルチアに向けて出航、のはずなんだが、U.M.N..の民間船転移枠が制限されてやがる。また何か嫌な予感がするぜ。
ちび旦那のデュランダルが助けに来てくれたのはいいが、なんだか今回は分が悪そうだぜ。 そんな時、アンドロイド姉ちゃんが勝手に船の外に出て行って、グノーシスをみんな吸い込んじまいやがった。 ヴェクターの奴らが「ある」だの「ない」だのゴチャゴチャ言ってるみてぇだが、一体何言ってんだ?グノーシスを片付けてくれたんならそれでいーじゃねぇか。 それより、手前ぇのところのアンドロイドぐらい、ちゃんと躾しろや!
レアリエンの嬢ちゃんを狙ってきたらしい追手は、きっちり巻いてやった。さすがは愛しのエルザだぜ。だが、またアンドロイド姉ちゃんが厄介ごとに巻き込みやがった。エルザをぶっ壊してハイパースペース航行ができなくしやがったうえに、ゲートアウトした場所にはグノーシスがうようよいやがる! 俺達をグノーシスの餌にする気か?
あいつらがこの艦に乗り込んできてから、ろくなことがない。ハイパースペースを航行中にどっかのバカが撃ってきやがった。 こん中での戦闘がどんだけ危ねえか、分かってんのか?
その後、ヴェクターの姉ちゃんたちが乗った救命ポッドを回収。 こちとら、観光船じゃないんだぜ、まったく。 ヴェクターの姉ちゃんの料理だけがちょっと楽しみだ。 トニーやハマーのつくる飯は、ありゃ飯じゃない、「餌」だ。
今にして思えば、回収は止めときゃよかったと思ってるぜ。アンドロイドの姉ちゃんに俺の艦が乗っ取られちまった。俺の自慢のエルザのウインドーにひび入れられちまったら言うこと聞くしかしょうがねぇだろう? 修理費いくらかかると思ってんだ、まったく!おまけに、あのアンドロイド、お客のサイボーグと船内でドンパチはじめやがった。 頼むから俺の平穏な日常を返してくれ!
お客さんを運ぶ途中、いいブツの存在を探知した。 連邦のガニメデ級船の残骸だ。 こいつをちょいと拾って売っ払えば、いい金になる。 ガイナンの旦那からは禁止されているんだが、背に腹ぁ変えらんねぇ。
今回の仕事は、お客さんを第二ミルチアまで運ぶことだ。 お客は、サイボーグの旦那と、レアリエンの嬢ちゃん。 わけありの仕事には慣れっこだが、今回はちーっとばかし嫌な予感がするぜ。 まあ、ガイナンの旦那への借金返済日も近けえし、仕事も選んでられねえんだが。
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