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1.ようこそ!
クロノア@ホームに遊びにきてくれたみなさん、ようこそいらっしゃいました!クロノアヒーローズのディレクター中西です。
ワンダースワン版『ムーンライトミュージアム』、PS2版『クロノア2』と企画を担当し、今回は初めてディレクターとして開発に参加しました。初ディレクション作品ということもあって、苦労も思い入れも絶えない作品となりました。今日は、そこいらへんをちょこっとお話したいと思います。
2.はじめに考えてたこと
小林プロデューサーの話にもありましたが、クロノア2の終了後、つぎの作品はちょっと違ったクロノアを作ってみよう、ということになりました。それが、『クロノアヒーローズ』であり、『クロノアビーチバレー』であるわけです。開発当初、小林プロデューサーがビーチバレーにかかりっきりだったこともあって、ヒーローズの方は結構、僕のやりたいようにやらせてもらいました。その結果、今までのクロノアとはずいぶん変わった印象になったかもしれません・・・ジャンプしないしね。
スタッフのほうにも最初はいろいろ戸惑いがあったようです。
『え?武器持つの?クロノアが!?』
『え?レベルアップ?クロノアが!?』
『ええー?ジャンプしないの?クロノアがー!?』
・・・etc、etc
僕の最初の仕事はこれらスタッフの疑問に答えながら、今回の方向性、そのための方法、を固めていくことでした。面白いもので、周囲の疑問に答えていくうちに、自分の中でのやりたいことが見えてくるもんなんですね。もともと、敵をバタバタやっつける爽快感のあるゲームが好きだった僕は、こういったゲームもいずれ作ってみたいなと思っていました。
『クロノア2』でパズルチックなアクションゲームとして、ある程度満足できるものを作ることが出来たと思っていたので、今回は今までと異なった『敵を倒す爽快感』、『強くなっていく喜び』を面白さの中心に据えました。また、携帯ゲーム機であることも考慮に入れて、RPGでありながら、『すぐ始められる』、『すぐやめられる』といった手軽さも大事にしています。僕自身、通勤途中はGBAで遊んでいることが多い(ちなみに今ハマってるのは『逆転裁判』!)ので、自分がユーザーとして遊ぶときの姿も想像しながら、基本路線を固めていきました。
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開発初期のゲーム画面イメージイラスト
結構、イメージどおり!?
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3.またハードが違うよ〜
そうなんです。ワンダースワン、PS2、と開発を続けてきて、今度はGBA。またハードが違うんです。クロノアファンのみなさんは、新作が出るたびに新ハードを買わなきゃなんないわけで、さぞかし財布がツライことでしょうね。ありがたくも、もうしわけない・・・でも、僕らもツライんです、これが。
ハードが変わると、性能が変わる。てことは何がどこまで出来るのか、やってみなけりゃわかんない。これはホンマにタイヘンです。キャラクターが何体表示できるのか?50体なのか、10体しか無理なのか?そこんところがわかんないと、考えてることが出来るか出来ないかで、方向性自体がずいぶん変わっちゃうんですね。
そこで、はじめにそれだけは念入りにプログラマーに相談しました。ええしましたとも。
中西『せめて30体は同時に表示できないと、爽快感なんて出せやしないっすよ!』
(とは言っても、プログラマーも初めてのハードじゃ、やってみなけりゃわかんないだろうことは承知の上なんだけど・・・)
メインプログラマー・羽藤『わかった。じゃあ、30体はなんとかするよ。』
(↑自信満々?それともハッタリ??)
中西『マジっすね!約束ですよ、はとーさん!』
(これだけ言ってりゃ、20体くらいは出るだろう)
羽藤『・・・たぶんね。』
(↑やっぱ20体がエエとこかな・・・)
とまあ、こんな感じのやり取りを経て、なんとかいけそうな感触を得た僕は、当初の方針通り『敵をバタバタやっつけるアクションRPG』の製作に取り掛かりました。この他にもいろんなことでつまづきました。『色数が足らない』、『ボタンが足らない』、『容量が足らない』・・・etc、etc
『やってみなけりゃわかんないこと』を『やるまえにみきわめる』。今までは最終的な判断をディレクターに任せていたのが、今度は自分がディレクター。やりがいを感じながらも、いつも疑心暗鬼に陥っていました。・・・でもまあ、なんとかなるもんですね(なんだそりゃ)。
さて、最終的に、キャラクターはどれくらい出せたのでしょう?それは、みなさんが実際にプレイして確認してみてください。羽藤さんの約束は守られたのでしょうか・・・いえ、何%くらい守られたのでしょうか(笑)?
4.今度はパーティ!
『敵を倒す爽快感!』、『強くなっていく喜び!』を、うたい文句にする以上、クロノアの攻撃も派手で、バリエーションも豊富にする必要がありました。最初は、クロノアに剣だけでなく銃も持たせて撃ちまくらせようか・・・なんてことも考えていました。結局、銃を撃つのは新キャラを用意して、それらのキャラを切り替えながら進む方が、面白いんじゃないかということで、パーティ制にすることにしました・・・RPGらしいしね。こうして生まれたのがガンツとパンゴです。ただ、そのちょっと後で、『デビルメイクライ』が発売されて、『ああ、剣と銃の両方持ってるのもカッコよかったカモな〜』とかナイショで思ってました、ナイショで。
この『3人パーティ制』。これをやること自体はかなり初期の方から決まっていたんですが、僕の中ではひとつ不安に思ってることがありました。『結局みんな、ガンツばっかり使うことになるんやないやろか?』。そう、銃を撃ちまくるガンツは遠距離から敵を攻撃できるため、使い勝手がイイ。おまけに見た目もなんかカッコいい!実際、開発初期はガンツの人気(使用率)は高かったです。ところが、まあ、バランス取りに腐心した甲斐もあって、最終的なテストプレイでは、『やっぱ、ガンツでしょ。』、『え、俺、クロノアメインだけど。』、『パンゴ最強〜!』、なんて感じに見事に人気が別れたんですね。
ヒーローズは基本的にどのキャラを強くしてもいいようになってます・・・困るときもあるケド(笑)。お気に入りキャラをひいきしても、バランスよく育てても、おっけーです。みなさんが冒険を終えた頃には、どんなパーティになってるでしょう?
・・・あと、余談なんですが、この『3人』には、もひとつ意味がありまして・・・、ホンマは通信ケーブルつないで3人同時にプレイできるようになるはずだったんですよ。残念ながら、いろんな事情から無くなっちゃいましたけど。僕はとにかく、『みんなで』、『同時に』遊べるものがスキなんで、いつも、なんとかその要素を取り入れられないかと思ってます。『クロノア2』のサポートモードなんかもそのひとつです。
『パンゴが投げた爆弾を、ガンツで狙い撃ち!その爆風の中にクロノアが飛び込む!』
まさに、今回のCMのアニメのようなシーン!おもしろそうっしょ?やってみたいっしょ?・・・俺もやりたかったあ〜(涙)。・・・まあ、またそのうち、ね。
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ボスキャラコンテスト選考会での一幕。いっぱいきました!
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5.そして、ヒーローへ・・・
この原稿を書いている現在は、開発も無事終了し、世界に平和がもどってきました。最高のヒーローを目指して、泊り込みの続いた日々は、約4ヶ月・・・自分史上最高疲労です。ここには書ききれなかった想い出がまだまだありました。
『久しぶりに家に帰ったら、家の住所が変わってた事件』
『仮眠室で寝てる間に、タイムアタックが入ってたよ事件』
『修羅場にコドモができて、ホンマに修羅場事件』
『デュエルマスターズ大流行!ってまだ仕事終わってねえだろ!事件』
・・・etc、etc
とにかく、スタッフのみんなとともに、がんばりました、がんばりました。そして・・・。
ついに、クロノアヒーローズが発売を迎えました!もうプレイしてもらってる方もいらっしゃるでしょう!プレイ時間はシナリオクリアに・・・2〜30時間というところでしょうか?もし、途中で進めなくなったときは、カスタマイズを見直してみましょう。ヒーローズは、何度でもカスタムポイントを振り分けなおせる仕組みになっています。それまでのカスタマイズにとらわれないで、いろいろ試してみてください。きっと、新たな発見があると思いますよ。みなさんはヒーローに、なれましたか?
開発スタッフはいつでも、みなさんの声を楽しみにしています。ぜひとも感想をお寄せください。その声こそが、つぎへの励みになりますんで。ホンマっすよ。お待ちしています。
さて、クロノア、つぎはどんな夢を見よっか?
それでは、わっふー♪
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手作りムゥケーキでメリークリスマス!
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