レシーブが上手くできたら、次はトス。守備のかなめのレシーブ、攻撃のかなめのアタックに比べて、味方にパスするだけのトスは、意外に軽く見られがちな存在だけど、それはトスの重要性を知らない人の思うこと。

この特集を見ている皆には、その重要性をしっかりわかってもらおう。「良いトスは、強いアタックを生み出す!」・・・これがトスの隠された意味だ。良いトスとは何か?ポイントはずばり2つ。


1:高いトスを上げよう!

前回の「攻撃編」で話した通り、強いアタックを決めるには、ボールが高い位置のときにアタックしなければならない。つまりそのためには、既にトスの段階で高いボールを上げていないとだめなんだ。

高いトスを上げるにはどうするか?それは図6に示すように、トスをする瞬間のボールの高さと関係している。
そう、ボールが高い位置のときにトスすると低いトスに、逆にボールが低い位置のときにトスすると高いトスになるんだ。

つまり、もし高いトスを上げようと思うなら、ボールが落ちてくるのをじっくり待ってからトスするのが正解だ。



図6
低い位置でトスするとボールは高く 高い位置でトスするとボールは低く


2:ネットの近くにトスしよう!

同様に、強いアタックを決めるには、ネットから遠いところより、よりネット際で打つ方が大切。つまり、トスも基本的にネット近くのキャラクターに向けて上げた方が良いってこと。

トスのコントロールは、トスする瞬間に方向キーを押していた向きで決まるんだ。方向キーは、図7のように自分のコートを9分割したものと対応している。アタックのコントロールと似ているけど、相手コートじゃなく自分のコートに対して、って所がちょっと違うね。


図7:トスと方向キーの関係。この図は自分が左側のコートの場合


以上で、トスの基本的な使い方はわかったかな?一見地味だけど、これをちゃんと理解すれば君のプレイは目に見えて変わるはずだ。結果はおのずと得点になって現れてくるだろう。

しかし、本当の上級者同士の対戦になると、定石だけでは通用しないというのが、勝負の世界では常識。正攻法のトスは、必ず「レシーブ〜トス〜アタック」という3段階を踏むので、相手にタイミングを読まれやすい、という欠点もある。相手にアタックを受けるための、心の準備をする暇を与えてしまうのだ。

こんな時は逆に発想して「いかに相手の予想を裏切るか」と考えてみよう。つまり意図的にタイミングを外す戦術を心がける、ということだ。ここでは、その代表的な方法を紹介しよう。


1:クイックトス

ボールが高い位置でトスすると、トスしたボールは低くしか飛ばない、と先ほどはネガティブな意味で紹介したが、実は「相手のリズムを崩そう」と意図した場合、これが意外に使えるトスになる。

「低くしか飛ばない」ということは、「地面に落ちるのも早い」ということ。つまり正攻法のトスに比べて、素早くアタックにつなげられるのだ!そういう意味を込めて、このトスは「クイックトス」(素早いトス、の意味)と呼ばれている。

ただし、しつこいようだが、ボールは本当に低くしか飛ばないので、上手く味方選手につながらないと、ふわ〜んとしたミスアタックになってしまう。クイックトスは、なるべく味方同士が近い状態でする方が、より成功率が高まる。何より状況の見極めが肝心だ!

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2:ツーアタック

さらに一歩進めて、いっそ「トスしない」というのはどうだろう?レシーブして、直接アタックにつなげること、これは「2(ツー)アタック」という、実はれっきとした名前のついた技なのだ。


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レシーブの段階でボールをネット近くに寄せる必要があるものの、タイミングはクイックトスよりもずっとカンタンだ。
だからといって毎回ツーアタックばかり打ってると、肝心な「相手の予想を裏切る」という目的から離れて、逆に読まれやすくなってしまうぞ!ツーアタックも、クイックトスも、ベーシックな攻撃の中に、あくまで「たまに」織り交ぜるのがポイントだ。

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