チーフプログラマー/小池利幸「ACECOMBAT3≠ACECOMBAT2+1」
ユーザの皆さん、もうすべてのエンディングは見ましたか?
プログラマの小池です。

長く続いたプログラムの作業も一段落したので、ちょっと小休止のつもりでエースコンバット3の振り返りをしてみましょう。

今回初めて導入された概念として「視線操作」があります。
3Dのゲームって、周りの状況を把握したいってことがしばしばありますよね?いままでは首が固定されたようになっていたのですが、これをなんとかして解き放ちたい思いがエースコンバット2を作っているころからありました。今回はその気持ちを製品に反映できてとてもうれしいと思っています。自分ではとても気に入って、毎度ぐりぐりと視点をまわして遊んでいるため、デュアルショックでプレーしないと右手の親指が寂しくてたまりません。ほんと、視点ぐりぐり病には注意しないといけないですね。

で、開発苦労話はというと…
エースコンバット3を開発するに当たって、与えられた使命がいくつかありました。
その1つが「エースコンバット2のを超える表現を可能にせよ!」という御題で「こりゃ〜 PSの限界をいくつも越えないと!?」と冗談に思いつつもプログラム作業に明け暮れる毎日を過ごしました。

ハードの特性を最大限に引き出すようプログラムをシェイプアップして作ったおかげで、前作の1.5〜1.8倍近いポリゴンが表現可能になったのですが、逆に返すと大量のデータを抱える羽目になることを示唆していて… 結局問題の転移になっていました。
PSのハードはエースコンバット1より変わってないし、昔から記憶できる容量は増えてない。この大前提を前に、さらなる難題が降りかかって、毎日がうれしい限りの難問解きゲームです。