チーフプログラマー/小池利幸「ACECOMBAT3≠ACECOMBAT2+1」
そう、もう1つの使命として、「CD4枚分のデータを2枚に収めよ!」がありました。
開発中はいつもながら、企画の方々から無理難題が降ってくるのですが、今回ばかりは途方に暮れました。ストーリーが先に決定し、そこからゲーム表現で必要な台詞やアニメーションを割り出し、それらすべて再現することを前提として考えると、容量はいつもと桁違い。それとは別に、通常のゲームのデータですら前作の3倍に膨れ上がっているので、さらに泣きっ面に蜂の巣を被せられた状態。
これはプロの意地で何とかせねば! と思い、心機一転で、可能な限り詰め込める手段をを考えました。
しかし、持ち得るデータは、最適化し配置を行うことでも2.4枚分になり、どうしても2枚には収まらない。あと0.4枚分を何とかせねばというころには、締め切りまで残り2ヶ月ない状態。(とほほ..)
絵描き屋さんに無理いってなんとかデータをシェイプアップしてもらい、圧縮に圧縮を重ねてギュウギュウに畳み込んでどうにか2枚に収まったのが、締め切り3週間前。あまりにもコンパクトにしてしまったため、ロードが前作よりも早くなってしまったのはこれに原因があるんですよ(笑)。本当にこのころは「ゲームもとうとうギガバイト容量の時代」とひしひしと感じました。

冗談に思っていた作業が現実と化し、いくつもの難問を解いた答えが、今回できあがったエースコンバット3なんです。

さてさて、さまざまな意味で、今回と前作はある意味で大きく異なっていますね。
初の2枚組み。複数のキャラクター。ストーリー。世界観の異変。セルアニメ表現。SFの導入。もう続編という枠組みから、大きくはみ出してしまった超新作ですね(笑)。
プログラマでの表現なら、「ACECOMBAT3 != ACECOMBAT2 + 1」
それとも「ACECOMBAT2 != ACECOMBAT3 - 1」となるのかな。

(“!=”はC言語で等しくない“≠”の意味です。)
いずれにせよ、エースコンバット2は2の良さがあり、3は2と違うところの良さがあります。それぞれ2・3の合い交えない独立した世界観を堪能する意味では、前作のエースコンバット2をプレーするのも良いと思います(ベストの仲間入りで安くなりますしね)

エースコンバット3は、自己模倣で終わるような単なる続編でなく、皆さんが「ん!?」「おっ!」「お〜」「すげぇー やるなぁナムコ」と驚きを発見できるような作品であればと心から思います…