ディレクター/岩崎 拓矢 「みなさん“大空”を満喫されていますか?」
みなさん“大空”を満喫されていますか?
『エースコンバット2』は“ミリタリー系リアル”を追求しましたが、「もっと多くの方々に遊んでもらいたい!」という願いから、「とにかく新しいモノを作ろう!」と意気込んで、スタートしました。

シリーズのファンの方々にも「相変わらず同じだね。」ではなく「気持ち良く裏切られた!」と喜んでもらえるように…。

キャラクターを登場させたのも、HUDのデザインを変更したのも、悩みに悩んだあげく、そういった期待を込めて開発していました。…というわけで、ホントに新しいコトに、いっぱいチャレンジしました。

世界観設定の合宿にはじまって、ホテルでのシナリオ缶詰。
そうして生まれた3冊分の録音台本と、CD2枚組みにもなったアニメーション。
さらにその結果、50以上に膨れ上がったミッション分岐。
気が付いたら、もう後戻りは出来ない内容になっていました。(笑)

そんな中でも苦労したのが、ゲーム性とドラマ性の融合です。
ゲームを遊んでいると、勝手に物語が進んでしまって、なんとなく“置き去り”にされたような気分になったこと…ありませんか?

シナリオも世界観の構築も、すべては“ゲーム”のために用意するものです。

「主人公が、プレイヤーの気持ちから離れて一人歩きしないように…。」
「登場人物は、いつでもプレイヤーに語りかけてくれるように…。」

そんなことを考えながら、みなさんがゲームに“遊ばされる”のではなく、“遊ぶ”ことで「自分が存在している感覚」が味わえるよう、いつも心がけていました。
そのために、プレイヤーの決断によって分岐するミッションや、戦闘結果によって変化するビデオメールを導入し、ミッション内容とストーリーがうまく繋がるように、気を使っています。
コントローラーを握りながら、ふと、共に戦っている仲間の存在が気になってしまう…そんな時、『AC3』の世界に“大空”を感じてもらえれば、シアワセです。