第6回:サウンドチーム【1】
中西 哲一
サウンドのデータ管理や効果音制御仕様を担当した「なかにい(中西 哲一)」です!

「新ハードになったから音も大迫力ですごくなるに違い無い!」
誰しもがそう期待している新ハードのサウンド開発に携わることになって、まずは新たな可能性を探してみました。
「ふむふむ・・・あんまりプレステ1と変わってないような気がしてたんだけど、実はいろんな事ができそうだなぁ! さて、いっちょやったるかぁ♪」

今回の効果音で目指したのは現実以上のリアル。
それを再現するために、従来以上のこだわりを盛り込んであります。


まず始めたことは「物理学」
・・・音という波の性質をつかむこと。どう聴こえて、どう響く?

次に取り入れたのは「音響心理学」
・・・心理的にリアルに思わせる方法を考察する。
   どの音も聴こえている必要はない。その時にどの音が重要なのか?
   さらに効果的に聴かせるには、どうトリックを仕組めば良いか・・

そして「確率統計」
・・・シーンに応じた出現確率と音量の大きさから考察し、こだわるべき音を決定する。

シミュレート系の効果音は、距離や方向に応じてリアルタイムに合成するのですが、その各効果音の鳴り方が自然に違和感なく、かつ大迫力に聞こえるのは、物理や音響心理を応用した細かい工夫があるからです。
例えばリプレイ時の遠方からのエンジン音の響き頭上を通過するヘリコプターのドップラーや疑似3D・・・などは従来の単純な音量・音程の変化だけではありません
(詳細は明かせませんが(^^;)

なんだか難しい事ばっかり並べてしまいましたけど、安心して下さい!
そんなこだわり効果音の集大成を、みなさんは何も考えずに、ただ気楽に感じてくれれば良いだけなのです♪

思いきってBGMをミュートして大音量で遊んでみるのもひとつの楽しみ方だと思います。
普段では気付きにくい新たな発見もあると思いますので、ぜひやってみて下さい!

なかにい