糸見 功輔・松尾 行恵
糸:
オープニングデモのディレクターを務めました糸見です。
今回のOPはレンダリングされたムービーではなく、全てPS2の実機で動かしているんです。
制作にあたっては、「ワイルドでエッジの効いた映像」をコンセプトにPS2のパワーを活かした新しい技術と、見ていてカッコイイ映像、の2点を重視しています。
そして、今回からイメージキャラも一新されました。

松: RRVイメージキャラクター、深水藍のモデルを制作した松尾です。
技術面では、ムービーではないために、ポリゴン数やテクスチャのサイズなど、様々な制限があって、はじめはとまどいました。
デザインで特に苦労したのは服です。
監督である糸見くんにOKをもらわないといけないので。
でも、イロイロ考えて描いたデザインを見せても、糸見くんは「うーん」「ちょっと違うかなぁ…」くらいしかコメントくれないんだよね。
いっぱいダメ出しをくらってくるうちに、どんなものに対して「良い」って言うのかだんだんわかってきた…ていう感じだったな。

糸:
僕、シャイだからね(笑) それにしても女の子の服って難しいですね。
PVという設定で演出してたから、シンプルすぎても濃くてもだめ。

松:
はじめ、結構エッチっぽいデザインを出してて、即効ボツを食らう、というパターンを繰り返してたよね。ボツになったものは数え切れない。
だんだんヤケになってきて、最後の方では服のバリエーション(開発当時はそんな案もあったんです)で「ビキニ+カウボーイハット+ウエスタンブーツ」という、とんでもない服装までさせたりしました(笑)。当然ボツだったけど。
最終的なデザインは背中が紐で縛ってあるだけのキャミソール、というちょっと私の趣味が入ったものになったんだけど、あれでよくOK出したよね。

糸: あー、あの辺で僕もおかしくなってた、ってウソ。一個所一発のインパクトが良かったからね。「シンプルさのなかにもインパクトがあるデザイン」は映像全体のコンセプトでもあるし、見た瞬間「あっ、これ行ける!」と思った。

松:
なんだ、感化されたんじゃなかったのか(笑)。
あと、忘れられないのは、モーションキャプチャーでモデルさんに教えるために、事前にモーションの練習をさせれられたこと。
モーションは別に担当のH氏がいたんだけど、彼はバッチリ色っぽく動くのね(笑)でも私は全然ダメ。あれはかなり屈辱だったなぁ。

結局モデルさんに演技指導したのは糸見くんとH氏だったしさ。
私の練習は必要なかったってことじゃん!

糸:
松尾さん体硬いって。やっぱ女の人にやってほしかったんだけど。
最終的にはH氏と男二人で演技の練習をしてました、それも夕焼けの中。DVカメラで撮り合ってる様子は、他人からみるとかなり怪しい。
デスクトップでのモーション、カメラ付け作業でも、「もっと腰をグーっと」「ドンじゃないバンって感じで」とか、ほとんど擬音で会話してたり(笑)
今回は1分の映像に40カット以上もあるので1カットごとにこんな感じでやり取りしてました。おかげで、松尾さんとH氏には鬼監督とまで言われましたが、それもこれも良いものを作る為です。
そりゃ僕も鬼になりますって。

それでは皆さん最後まで楽しんで遊んで下さい。
エンディングとスタッフロールも凝ったことをやっていますのでお楽しみに。