企画 上山章夫
Q:
こんにちは。
上山:
はい。企画をやりました上山です。
いろいろやりました。主なところは、実況とか、選手評価システムとかですのでそこのところを少し語りたいと思っています。よろしくお願いします!

Q:
実況を入れることに関して、企画リーダーの前田氏と議論になったそうですが。
上山:
そうですね、殴り合いとかしたわけじゃないんですけど(笑)。確かに1人称サッカーで、実況が聞こえてくるのは変だと。だって、フィールドに立っててそんなの聞こえてきませんからね。
ただ、前作(プレイステーション版「リベログランデ」)のアンケートはがきの要望で一番多かったのは「実況がほしい」だったんで、とにかく誰のためにやっているのかを考えたら、これは何も考えずにやるべきだと私は思ってたんです。

あと、前作の販促担当者N氏にも「リベロ2ではとにかく実況を入れてくれ」といわれてましたんで。でも、完成間近になってその人に「Nさんに言われたんで一生懸命実況入れましたよ!」っていったら、「そうだっけ。」みたいな。ちょっとがっくりでした(笑)。

Q:
倉敷保雄氏(実況)と風間八宏氏(解説)はどのようないきさつで決まったんですか。
上山:
まず、何よりも、「本物のアナウンサー」をということで、ネット等で情報を集めていろいろ探しました。で、前田が倉敷さんのページにたどり着いて、「いっしょにお仕事しませんか」みたいなメールを出したんです。
そうしたら、お返事をいただいて。倉敷さんはゲームをやられる方でもあったりして、話はとんとん拍子に進みまして、やって頂けることになったわけです。風間さんは倉敷さんの紹介で、「倉敷さんとの仕事なら喜んでやる」ということで快諾して頂きました。

Q:
実況のうりは。
上山:
とにかく、うるさい実況だとインパクトはあっても、飽きてくると思ったので、落ち着いて本格なもの、プログラマーの中村も触れていますが「ゴーーーーーーーーール!!!!」っていうのはやだなぁ。って。それがまず「うり」です。倉敷さんは絶対そんな実況をしない方ですし。
でも、ただお堅いだけになってもつまらないので、二人の茶目っ気というかユーモアもたくさん取り入れてます。だから、台詞に関しては、お二人の特長を生かして、お二人の言葉でということで、台詞はほぼすべて、お二人に考えて頂いたものなんです。それで録音前には台詞作りでいろんなところで、打ち合わせしました。

風間さんの台詞は移動中の車で僕がインタビューしたものを書き起こしたものです(笑)。アドリブもたくさんあります。試合後は風間さんがさまざまな台詞でプレーヤー評価をするので、ぜひスキップせずに聞いて頂きたいですね。

Q:
ところで、評価といえば選手評価システム
上山:
ただポジションをプレイして、はい終わりではつまらないだろうということで、実際のサッカーでもよくあるような採点制を取り入れました。ポジションを演じきることへのご褒美です。苦労した点は、全体の評価のバランスですね。同じポジションで、同じようなことをしても点数が違うのは、もちろん、いいかげんに点数をつけているから…ではなくて(笑)、毎試合毎試合、全体の中でどれくらい目立ったかということが重要だからです。つまり、周りもすごいプレーをすれば点数は低めになってしまいます。

偏差値みたいなものですね。だからって、自分でなんでもしようと思うと、本来やるべき事がおろそかになり、よい点数は取れないでしょう。多少は味方に頼りつつ、自分が決めるべきところは確実に、しかも沢山、決めるというのが高評価の基本ですね。って感じのバランスです。あと、移動エリアの表示は、「リベログランデ2」ならではではないでしょうか。
自分のプレイエリアが如実にわかっておもしろいと思います。これはアイディア的にはフランスのサッカー雑誌とかに影響を受けたものです。あっ雑誌はヨーロッパ取材土産です。僕は、…行けませんでした。パスポート切れてましたし…。

Q:
最後に一言
上山:
他の多くのサッカーゲームが他人と共通の面白さを積み上げていくものであるのに対して、「リベログランデ2」は自分自身のゲーム、あるいはサッカーの、価値観を追求できるツールにもなり得るなぁと思っています。
別の言い方をすれば、、、大雑把な例えですけど、「リベログランデ2」の面白さは、誰かが勝つためにある絶対的な基準(ルール)に対して競っていく「スポーツ」的側面よりも、誰も勝つものはいなく、緩やかな含みの中でそれぞれの価値観を追求できる「芸術」的側面が強いと思うわけです。
それが顕著にあらわれるのはリプレイですね。うちのスタッフも勝ち負けにこだわることより必死に自分だけの美しさ(美しいゴール、美しいパス、美しい連携、美しいセービング…)を追求していました。
そしてそれに酔う!そしてメモリーカードを持って自慢しにくる。それができるし、それが楽しいゲームなんです。

とにかく、リベロ(自由)の名に恥じない、非常に自由なゲームなので、自由に遊んでほしいです。人によって全く楽しみ方は違うし、それだけ楽しみが多いので、やり込みがいがあると思います。
一言でなくなってしまいました。すみません。それでは!



このゲーム、ゴールキーパーでプレイするのは、ものすごい集中力を必要としますが、相手のシュートを読み切ったときなどは強烈に感動できます。
この快感の中毒になり、一時期はずーっとキーパーばかり選んでやっていました。あと、彼はフリーキック(PKも)が蹴れるので、ゴール前で味方が倒されないかうずうずしてしまいますね。



【リプレイシーン実況 1】

■パラグアイのチラベウト、
相手ラストパスを強引にカット

シュートか?パスか?ジョルカレフのトリッキーなラストパスを読み切り、体を投げ出し強引にカット。一瞬ボールを見失うが…
何とか押さえます…(ふー)。


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【リプレイシーン実況 2】
■パラグアイのチラベウト、
得意のFK(フリーキック)

スーパーGKの彼のもう1つの特長は何といってもこのFK。
左利きの彼には抜群のこの位置。壁で見えなかったのか、フランスのキーパーの意表を突き、ボールはゴールポストをかすめるように…

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