松野 俊明

どうも、プログラマの松野です。
雲や太陽などの背景部分、爆発などのエフェクト等を担当しました。

前作の2がとても評判が良かった作品だけに、3の開発に加わった当時は、ユーザーの期待の大きさなどかなりのプレッシャーを感じたものでした。

エフェクトとは、どんなに格好良いものができたとしても、フライトシューティング本来の爽快感や楽しさを阻害するものであってはならない、と常に自分に言い聞かせながら作業したものです。ここをもっと小さくまとめればリプレイの時間をもう少し増やせるとか、ここの処理はもっと速くすればバルカンもう少し表示できるとか、使えるCPU、メモリ、描画量を考慮に入れながらの、いかに効果的なものを作るか。
もっと速く、もっと小さく、辛くもあり、プログラマとしては楽しくもある作業の毎日でした。
以下、あまり語られることのない、その工夫の数々を紹介します。

●破 片
 敵機撃墜の時にでる破片。こいつは画面での表示の大きさに応じて、テクスチャポリゴン〜テクスチャなしポリゴン〜1ドットの点と3種類の描画パターンに切り替わってます。 ポリゴン一枚の破片ごときの分際で。

●衝撃波
 空中での爆発などにつく常に正面向きの衝撃波。これも画面での大きさに応じて、円の分割数が4〜32に可変しています。 現れて0.3秒の一瞬で消えるくせに。

●レンズフレア、逆光処理
 どんなに頑張っても、TVの画像は真っ白な画面以上には明るくはできない訳です。その制約の中いかに眩しいと感じられるものを作るか、開発作業は難航しました。
 試行錯誤を繰り返した結果、まったく見えなくするより、頑張れば見えそうなぐらいの方が効果的、見えそうで見えないHUDがより眩しさを演出する、「目を細めれば見えるかもしれない理論」を構築するにいたりました。

●水面の反射光
 太陽が水面に反射してキラキラ光る演出、これもかなり苦労しました。
 低いところから見る場合と高いところから見る場合の見え方の違い、太陽の角度によっての反射光の形の違いを確認するため、朝一番に埠頭に朝日が昇るところを撮影にいったり、ランドマークタワーに登ってきたり、飛行機から撮影した海面の資料を集めたりしました。
 気象データから風速5〜10mぐらいの時の海面の平均勾配角度を調べたり、反射光の見た目のサイズがいくつになるか計算したり、本物らしく見えるように様々な調査、計算をしました。
 結果、MAPの描画量の重さから少しずつ小さくなっていき今のサイズに決定されました。(本当は太陽の角度高ければもっと面積大きいし、海はずっと上空から見ると鉛みたいな質感の反射光になるんですよぉ) でも実際と違っててもいいんです。それらしいと感じられれば。

雨、雪、宇宙、パーティクル、OSL。
書き出すと止まらないくらい工夫した箇所は一杯あります。
そのかいあって、自分の限界ギリギリのものが盛り込めたと思います。

でも、もし次回作にも参加することになったら、今回の限界以上が求められるんでしょうね。いまから楽しみです。泣き言いいたくなるほど。