サウンドチーム「流れている空気を『音』という形にすることを目指しました」
ムービー効果音担当:柿埜 嘉奈子
こんにちは。ムービー効果音隊長兼、音楽担当の柿埜(かきの)です。

突然ですが、「音」って何なんでしょうね。
日常生活に溢れている「音」。今、この文章を書いている間にも、キーボードを叩く「カシャカシャ」という音がするし、頭上でエアコンが「ウ〜ィ〜ん」といっているし、遠くの方から井村さんの笑い声がする(笑)。
「音」、それは会話であったり、音楽であったり、いろいろと形を変えて私たちの耳に情報を与えてくれる、目に見えない不思議な存在。

でも実は、「音」ってそんなに複雑なものじゃないんです。本当は、ただの空気の振動なんです。例えば、机を叩くと「ドン!」と音が出ます。それは机を叩いた時の振動が、空気に伝わり空気も振動して、それが人の耳に伝わって「音」として聞こえるのです。会話も雑音も音楽も、み〜んな基本は「空気」の振動だったりする。
そう、大事なのは「音」じゃなくて「空気」なんです。
今聞こえてくる「音」はみんな、「空気」があるから私たちの耳に届くのです。

前置きが長くなりましたが、『ACE COMBAT3の世界に溢れる「空気」をつくること』、それが今回の私の仕事でした。ディジョンの息づかい、シンシアの足音、レナの叫び。そこにはそれぞれの空間の「空気」が存在しています。
その「空気感」がみなさんの耳に伝わるよう表現しました。「音」を作るのではなく「空気」を作る、それが『ACE COMBAT3』のムービーサウンドです。

ムービー効果音もそうですが、BGMも同じです。そのミッションにとけ込むようなBGM。
単体の音楽として存在するのではなく、グラフィックがあってストーリーがあってBGMがあって、すべてが混ざりあって『ACE COMBAT3』の世界の「空気」を作っているのです(なんかシンシアみたいな口調になっちゃいました)。

TVの音量をちょっとあげてみてください(近所迷惑にならない程度に!)。『ACE COMBAT3』の「空気」伝わりましたか?

ではでは最後に、この場を借りてお詫びを。
● 大久保さんへ。
 効果音を作るからと言って、痛い思いをさせてしまってすみませんでした。
 (ガムテープの件)
● 境さんへ。
 効果音を作るからと言って、変な格好をさせてしまってすみませんでした。
 (スキーウエアの件)

ぷぷぷ。 では、次回をおたのしみに。