ソフト&ハード開発スタッフインタビュー

鉄拳3
[開発スタッフメンバー・プロフィール]
  • 藤本さん
  • VS開発部。ロウ、ファランなどの4体のキャラクターのハイモデル、ゲームモデルを担当。
  • 中島さん
  • VS開発部。キング、エディなど4体のキャラクターのゲームモデルを担当。
  • 長谷川さん
  • 研究部。システム12のハードウェアを担当。
  • 田中さん
  • 研究部。システム12のチェック、ソフトウェアを担当。


☆システム12によって生まれ変わった『鉄拳3』

―開発を終わられての感想をまず……。
 「そうですね」(一同笑)
藤本:苦しかったというのが一番(笑)。システム12でできる限りのことは、かなりできたのではないかと思いますけれど……。
中島:システム11と似たような開発環境で、見た目をさらにいいものを、という感じで、クオリティアップがなかなかうまくいかなった部分がつらかったです。
藤本:システム12になってパワーアップした部分は、背景をポリゴン化して立体的にした部分に費やされたので、キャラクターのポリゴン数はそう変わらないんですよ。その分、今までより、キャラクターモデル制作に時間をかけて、クオリティアップに努めました。『2』とかよりも、かなり時間をかけて試行錯誤しながら作りました。
中島:関節なんかは、かなりキレイになっているんで、パーツがバラバラに見えることはないはずです。
―その辺は、システム12によるところが大きいと思うのですが……。
田中:11に比べて、1.5倍のパフォーマンスが出るようになっているので……。CPUクロック、描画まわりなど、すべてにおいて1.5倍ということです。特注のCPUで、PSボードとしては現在最速です。
長谷川:映像やサウンド周りのアナログ回路も変更されています。何といっても、画面の明るさを調節できるようになったのも大きいですね。以前のPS互換基盤は、画面の明るさがどうしても足りないと、VS開発部からもクレームが来てましたので……。それだけのための12という話もあります(笑)。


☆「鉄拳」シリーズの開発は、毎回時間との戦いです

―お二人の担当キャラについて……。
藤本:ファランには相当こだわって作りました。韓国人という設定があるんですが、あまりそこにこだわらず、とにかくカッコよさを重視して、髪の毛の色とか、スタイルとか、ワガママ言って。
中島:キングの2Pカラーは、前作までのアーマーキングみたいな感じで、企画の原田さんと相談しなら、プロポーションとか、レスラーらしいものに変えていったあたりが気に入っています。キングは自分で作ってみたかったキャラなんで。
藤本:モーションキャプチャーを使って、ファン選手(テコンドー)鈴木みのる選手(パンクラス)の動きを取り込んでますから、本当に動きが良くなってます。
中島:モーション班の方は、もう会社に住んでいるという感じで……。最後までギリギリの調整をしているみたいです。
藤本:実際に動く基板の到着が遅くなって、それまでにキャラクターやモーションの作り溜めをしていたんですけど、実際に動かしてみると……。
中島:キャラが異様に細くなったり、「何じゃコリャ」という感じで、もう何度も作り直したりして……。
―新しい筐体と同時に出るんですよね?
長谷川:「サイバーリード」という、画面上にLEDがついた筐体ですね。今までの「JAMMA」に変わる新規格「JVS」に対応していますので、ステレオサウンドや、外部映像出力、技名をLEDに表示するなどの独自の機能があります。
藤本:その筐体に合わせて、画面の調整とかを行っているんですが、これも仕様が微妙に変わって、調整が大変でした。毎回このシリーズは、時間との戦いというか、休む暇もないですね(笑)。
中島:逆に会社にいないと不安になってる気もしますね(笑)。自分がいない時に何か起こってたら怖い(笑)なんて。
藤本:背景のスタッフも、ドットが見えないようなテクスチャーを研究してましたから…ゲージとか作って、「サイバーリード」のモニターの解像度に合わせて、うまく見えるように、かなり試行錯誤してましたね。
中島:オープニングも、PS版の『ソウルエッジ』のスタッフと、外部のスタッフが共同で作ったんですが、動きがいいので、ぜひじっくり見てもらいたいですね。
―初心者にオススメのキャラは?
藤本:ファランとエディは、適当にボタンを押しているだけでも、結構技がつながってくれて、面白いと思います。今回、前作の準のように、ある技からいくつかのつながる技があって、それが連続するようなキャラが結構います。この辺がオススメです。
中島:あと、レイやシャオユウなんかの、構えを変えると技が変わるキャラもいいですよ。ちょっと練習すると強くなりますし。
―最後に、隠しキャラは出ますか?
藤本:期待していて下さい。前作そのままのやつもいますし、外見は別のキャラだけど、中身は「あ、あのキャラだ」というキャラもいますし。楽しみにしていて欲しいですね。
ありがとうございました。

新キャラクター技表