ダンシングアイ『ダンシングアイ』開発者座談会


[座談会メンバー・プロフィール]
  • キャプチャーマン・ブルー
  • モーションキャプチャーの魅力に取りつかれた腕利きCGデザイナー。担当したキャラは、きのこ、ゴールド、お姫様、天使。
  • 土井さん
  • メンバー紅一点のCGデザイナー、そのプロポーションの良さから、モーションキャプチャーのアクターも努める。双子、アマゾネス、宇宙海賊を担当。
  • 山口さん
  • ゲーム全体をとりまとめるプログラマー。新入社員でありながらなぜか「所長」と呼ばれる謎の人物。自らもお気に入りのスチュワーデスを制作。
  • 南さん
  • 全体の流れの管理や、アトラクト・モード、ショウタイム、セレクト画面など厄介な部分を一手に作り上げた最速プログラマー。
  • ちゃーりー
  • サウンドを担当。効果音や敵のアクション音も制作。作った曲は、軍服娘、ヘビメタ、巫女さん、アラビア、ハチ等、その他多数。


☆「ナムコご乱心!?」は最高の賛辞です

―まず、よく企画が通りましたね。
 「そうですね」(一同笑)
山:「ナムコからどうしてこういうゲームを出すの? という意見も確かにありました。でも、ほとんどの人が大丈夫だって推してくれたので」
南:「企画を通すことより、むしろ製品化前の最後の調整の方が大変でしたね。細かい部分で、ここはいいけどこういう表現はダメ! とかあって」
山:「このゲームのコンセプトは、まずは操作が簡単なこと。そして、3Dポリゴンならではの技術をふんだんに使って、楽しめる演出のあるゲームです」
土:「作る側としては、本当に楽しい仕事でした。もう二度とこんな楽しい仕事来ないだろうな、って思うほど」
キ:「ステージごとに任されるから、とにかく何から何まで自分でかかわってやれるんですよ」
土:「モーションを考えて決めたり、こんなセリフをしゃべらせようって考えたり」
キ:「僕なんか2月に入社してすぐこの仕事。前はSEという固い仕事だったのにナムコに入っていきなり踊りを踊ったり、唄を歌ったり、でしょ(笑)」
土:「アクターにモーションキャプチャーの動きを説明するために、まず自分たちで踊ってビデオに撮ったりしたんです」
山:「実際には、ジムのインストラクターや、俳優の卵とかに頼んでやってもらいました」 ち「でも、土井さんはアクターまでやったんだよね」
土:「それが大変だったの。最初に光学式でやった時はストーブも光源だからつけられなくて。未来研の寒い試作室で、真冬にレオタードですよ」
南:「おかげで、社内でもできるようなキャプチャーのノウハウが残ったよね」
キ:「みんなのおかしな踊りが録画されたバカなビデオも残りました」


☆デザイナー、サウンド総動員!
 自由参加型のゲーム作り

山:「ステージのキャラクターが全部で41あるんですよ。20ぐらいしかできないと思っていたら、気付いたら40越えてた」
南:「自分の作りたいものを自由に選べるというのが魅力だったよね」
山:「自由参加型。他にメインの作業を持っている人にも『君もやってみないか!』と誘って」
土:「ネーミングからセリフ、背景、性格付けとか、いろいろ考えていくうちに、みんなどんどん思い入れが深くなってきて、プロフィールや相関図までできてきちゃうんだね」
ち:「サウンドもそうなんです。僕は曲だけでいい。って言ったのに、演歌風の歌詞まで作ってくるんだから(笑)」
山:「1キャラクターで2曲あるから、全部で82曲。こんなに入れたのはナムコゲーム始まって以来でしょう」
ち:「サウンドだけでも14人はかかわってますよ。でも、中には一人で30曲も作った人もいるけど」
キ:「デザイナーも15人以上います。普通は背景の担当、オブジェクトの担当と分業体制。でも今回は自分がすべて任されていて、自由度も大きいから、みんなもやってて楽しかったと思うよ」
山:「でも、まとめるほうは大変だったんですよ。仕様に変更が出たりすると、いちいち言うのは面倒なのでプリントにして配ったり」
南:「僕は各ステージの初めにキャラクターを三択するラウンドセレクトの画面を作ったんだけど、キャラクターがみんなバラバラなのでまとめるのが大変。ホント、苦労しました」


☆超一流の声優陣!

ち:「声優さんは、すごいメンバーが揃っているんですよ。セーラーマーズの富沢美智恵さん、ちびうさの荒木香恵さん、他に新山志保さん、渡辺久美子さん、佐久間レイさん。アニメファンにはお馴染みの人たちばかり!」
山:「あとはうちの開発のメンバー6人」
土:「このゲームは開発のメンバーの歌と踊りが見られる(笑)」
山:「パネルをめくった後のごほうび画面の踊りと、キャラクターの一言にも注目してほしいですね」
ち:「特にアニメファンはよく聞いてね」
南:「なにげなく通りすぎてしまうラウンドセレクト画面もね」
ち:「さて、突然ですが、ここで問題です。巫女さんの名前は何でしょう?(ヒント・巫女さんはセレクト画面に現われた時に名前を言いますよ)ついでに、だれの声かわかったらそれも書いてネ!」
山:「抽選で1名様に豪華プレゼントを差し上げまーす」


☆ナムコらしくない!と言われたい

山:「「社外の反響はさまざまですね」
土:「ショー後の業界誌には、『ナムコご乱心!?』なんて書かれた」
キ:「そんなふうに言われると、かえって嬉しいですよ」
山:「ナムコらしい、らしくない、というのを気にしていると、自分の発想が締めつけられちゃう。だからあんまり考えないんです」
土:「作る側が楽しんでやっているのが伝われば、そっちの方が大切だと思うんです」
---では最後に、お気に入りのキャラクターを教えて?
キ:「犬ころ」
山:「マッチョマン」
南:「トラック」
ち:「まったくみんなウソツキだなあ。なんで『バニーちゃん』って言わないんだよ!このキャラクターはジムのインストラクターにモーションのモデルをやってもらったから、身のこなしがとってもきれいなんですよ」
山:「プレイヤーの皆さん、恥ずかしがらずにとにかく一度やってみてください!結構やめられなくなるかも。そんなゲームなんです」