風をつかまえろ
ここで当日のビデオが到着。ビデオを見ながら話がはずんだ。
プログラマーのたけぽむ
「最初飛んだときは、頭の中が真っ白。」
キリコ
「飛んでる時間は3分ぐらいかな。でもすごく短く感じた。」
たけぽむ
「インストラクターが風を見て、いい風が来る時まで待つんだけど、この時がもう心臓がドキドキなんだよね。それでいきなり『行きます!』って言われる。」
ダイロー
「スロープで『走れ!』って言われて走るんだけど、2、3歩走るともう下は何もない。空中に足が浮いてる。それでも足を回せ!って言うんだ。」
プログラマーのなお
「一番最後まで渋ってたのは、マサタローだったね。」
キリコ
「マサは初日の1番バッターだもの。」
CGのマサタロー
「僕はもともとジェットコースターもダメなんだ。いざ本番の時には、ほとんど自殺する様な気持ちで飛び降りたよ。」
な お
「でも本当に飛んだ時には、皆から拍手と歓声が上がったね。」
マサタロー
「体が空中に浮いた感じが忘れられない。飛んでる時は、今まで見たことのない風景が下に広がってた。」
エ ガ
「まわりに何もさえぎるものがないっていうのは、すごいなぁと思った。風を、もろに体に感じるね。」
トーさん
「そう、このゲームの中で風はとっても重要なものなんだ。だから絶対、筐体の前面から風が吹いてくるようにしたかった。」
たけぽむ
「でも、設計の担当者が最初は渋っていたんだ。」
トーさん
「だけど、設計者自身が空を飛んだらすっかり変わっちゃった。『風、いいですね。つけましょう!』ってね。」
エ ガ
「おかげで風をつけることができた!」
空を飛ぶロマンをゲームに込めて
トーさん
「このビデオの映像が、後で見てとても参考になった。」
ダイロー
「小型CCDカメラをハングの翼端に付けて撮ったんだ。弧を描いて飛んだ時はどう見えるか、とか、地面と空の見え方もよくわかった。」
たけぽむ
「音も参考になったよ。風を切る音、失速したときの音。風ってあんなに音がするものだと思わなかった。」
マサタロー
「地面に自分の影が落ちているのを見て、あー、僕は空を飛んでいるんだなー、って実感した。だからゲームでも自分の影が下に見えるようにしたんだ。」
キリコ
「あれとっても飛んでる感じがするね。」
ダイロー
「楽しかったけど、ハードな一日だったよね。夏の炎天下で機体を組み立てて、飛んで、下でばらして、車で運んでまた飛んで…」
たけぽむ
「すると、下で冷たいビールが待っている。」
トーさん
「うまかったなあ。あんなうまいビール今まで飲んだことなかったよ。」
エ ガ
「インストラクターの人もよくがんばって教えてくれた。」
トーさん
「ほんと。一人墜落して機体を壊してるし。きっと採算あわないと思うよ。」
キリコ
「きっと皆、本当に飛ぶことが好きなんだね。」
トーさん
「僕が一緒に飛んだ人はもう40過ぎのオジサンなんだけど、飛ぶことにすごくロマンを感じている人なんだよ。前に一人で茨城から福島まで飛んだんだって。上昇気流を捕まえながら、雲の上まで上がっちゃったりすると、この広い空で、今俺一人が浮いているんだなぁ…って感じるんだって。その話を聞いて、感動しちゃったよ。空を飛ぶっていいなぁっていう思いを、そして飛んだ時の感動を、なんとかこのゲームに込めたいと思ったんだ。」
ダイロー
「帰り道は、すっかりみんな感動しちゃって、ハンググライダーのゲームに変えようなんて言ってたよね。」
トーさん
「また、飛んでみたいよね!」
たけぽむ
「よし、このゲームが完成した暁には、打ち上げとして今度は自腹を切って飛びに行こうよ!」
みんな
「いいね!行こうぜ!行こうぜ!!」

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